「按腹(あんぷく)」といわれる、日本で発祥した腹部の指圧療法です。
平安時代の歴史書である「栄花物語」には「はらとり」という腹部の治療法が書かれており、やがて漢方(中国医学)と結びついて腹診、腹証となり、病気の診断や治療に腹部の按摩が行われていました。
日本の伝統医学では「腹は生の本なり、故に百病はこれに根ざす」と、腹部の指圧療法を根本治療として重視していました。
現代でも腸内環境を整えることは、様々な病状の改善や、脳の働きを向上させるとして注目されるようになってきています。
腸内には約100兆個~1000兆個もの腸内細菌が生息しています。
理想の環境は、善玉菌30%、中間菌60%、悪玉菌10%と言われていますが、50歳を過ぎたあたりから、善玉菌の割合が激減してきます。
そして、これも50歳頃からですが、胸腺の免疫機能が停止し、その後は腸管の免疫機能が全面に出て、身体を保護、防衛します。
これらのことから、腸の働きは人間が本来持っている自然治癒力に極めて重要な影響を及ぼすことは間違いありません。
また、脳の中で働いているセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質 ⇒ 別名「幸せ物質」は腸内で合成されています。
「腸は脳の母である」、「脳腸相関」と言われているように、人の気分というのは、腸内環境で決まってくるのです。
腹部の筋肉では、慢性腰痛の原因として第1位と考えられる「大腰筋」という筋肉が、腹部の深いところに存在しています。この大腰筋の治療は、お腹側から深くまで圧を浸透させていく按腹療法で可能となります。
按腹療法は、内臓周りのリンパ流の停滞(むくみ)を改善し、自律神経の調整や内臓の不調、便秘、宿便出し、美容効果など、あらゆる症状を体質から改善していく根本治療です。