冷え性は「身体が弱っているから」だけではありません
「手足がいつも冷たい」
「布団に入っても足が温まらない」
「冬だけでなく一年中冷える」
冷え性というと、体力がなく身体を温める力が弱っているイメージを持つ方も多いと思います。
東洋医学でも、古くから「気虚」から「陽虚」へ進み、身体を温める力が弱くなることで冷えが現れると考えてきました。
しかし現代では、それだけでは説明しきれない冷えも少なくありません。
東洋医学では「気虚」から「陽虚」へ進む冷えがあります
東洋医学でいう「気」には、身体を動かしたり、温めたりする働きがあると考えます。
その気が不足した状態を「気虚」といい、さらに身体を温める力まで弱くなった状態を「陽虚」と捉えることがあります。
このタイプでは、
- 疲れやすい
- 寒がり
- 手足が冷える
- 元気が出にくい
- 温かいものを好む
といった傾向がみられることがあります。
現代では「巡らない冷え」も増えていると考えます
一方、ストレスが多く、食生活も豊かになった現代では、単純な「不足」だけでなく、気や血が十分に巡らないことで起こる冷えにも注目します。
東洋医学では、ストレスなどによって気の流れが滞った状態を「肝鬱気滞(かんうつきたい)」といいます。
気の流れが滞った状態が続くと、血の巡りにも影響し、「気滞瘀血(きたいおけつ)」と呼ばれる状態につながることがあります。
つまり、身体を温める力そのものが不足しているだけでなく、温かさを全身へ届ける「巡り」が悪くなって冷えるという考え方です。
ストレスで手足が冷たくなるのはなぜ?
強い緊張やストレスが続くと、自律神経の働きによって末梢の血管が収縮し、手足が冷たく感じることがあります。
人の身体には、寒さなどから身体の中心部の体温を守ろうとする仕組みがあります。
そのため、末端の血流が少なくなると、手足が冷えやすくなります。
これは東洋医学でいう「気血が末端まで巡りにくい」という考え方とも、臨床的には重ねて捉えやすい部分があります。
手足だけ温めても、また冷えてしまうことがあります
冷えを感じると、足湯やカイロなどで手足を温めたくなります。
もちろん、外から温めることも大切です。
ただし、冷えを繰り返す方では、手足だけでなく、お腹・腰・背中など身体の中心部の状態も確認することが重要です。
身体の中心部が緊張していたり、自律神経のバランスが乱れていたりすると、末端まで血流が届きにくく感じることがあります。
東洋医学では「肝・脾・腎」をみます
冷え性では、その方の状態に応じて肝・脾・腎などを確認します。
肝は、東洋医学では気の流れやストレスとの関係を重視します。
脾は、現代医学の脾臓そのものを指すというより、消化・吸収や栄養、水分代謝などに関わる働きとして捉えます。
腎は、身体を温める力や生命力、加齢などと関係する働きとして考えます。
そのため、「冷えている部位」だけでなく、身体全体の状態から施術を組み立てます。
鍼灸では、手足・お腹・腰のツボを使います
鍼灸では、冷え方や体質を確認しながら、手足だけでなく、お腹や腰などのツボも使います。
気虚・陽虚が強い方には、身体を温める方向の施術を。
ストレスや気滞が強い方には、気の巡りを促すことを意識した施術を。
瘀血がみられる場合には、血の巡りを整えることも意識します。
必要に応じて温灸を取り入れることもあります。
指圧・マッサージでは、自律神経と全身の緊張をみます
冷えがある方では、首・肩・背中が強く緊張していることも珍しくありません。
指圧・マッサージでは、全身へゆっくりと圧を入れ、筋肉の緊張をやわらげていきます。
特に背中・腰・お腹・下肢を確認しながら、身体がリラックスし、末端まで巡りやすい状態を目指します。
鍼灸と指圧を組み合わせることもできます。
「温める力」と「巡らせる力」の両方をみる
冷え性というと、「身体を温めればよい」と考えがちです。
しかし東洋医学では、
身体を温める力が不足している冷え
と、
気や血がうまく巡らないことで起こる冷え
を分けて考えることがあります。
その方がどちらの傾向なのか、あるいは両方が重なっているのかを確認しながら施術することが大切です。
こんな方は一度ご相談ください
- 手足が一年中冷たい
- 布団に入っても足が温まりにくい
- ストレスが強いと手足が冷える
- 冷えと肩こり・疲労感がある
- 身体はそれほど寒くないのに手足だけ冷たい
- 温めてもすぐに冷えてしまう
冷えの状態を確認しながら、指圧・マッサージ・鍼灸から、その方に合った方法をご提案します。
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