易を学んでいて、私がとても興味深いと感じた話があります。
それが、「易と遺伝情報には、数字の上で不思議な共通点がある」という話です。
易とDNA。
古代から伝わる東洋思想と、現代の生命科学。
一見すると、まったく関係のない世界に見えます。
ところが、その仕組みを比べてみると、どちらにも「3つの組み合わせ」と「64」という数字が現れます。
もちろん、これだけで易とDNAに科学的な因果関係があると言うことはできません。
それでも、この偶然の一致を知った時、私は「易というものは本当に面白いな」と感じました。
易は「陰」と「陽」から始まる
易の基本にあるのは、陰と陽です。
易では、陰と陽を一本の線で表します。
この一本の線を「爻(こう)」といいます。
陽爻 ━━━━━━
陰爻 ━━ ━━
そして、この陰爻と陽爻を3本組み合わせて、一つの卦をつくります。
2種類の爻を3本組み合わせるので、できる形は8種類。
これが、
乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤
という八卦です。
3つの爻から八卦、そして六十四卦へ
八卦は、3本の爻によって構成されています。
そして易では、この八卦をさらに上下に組み合わせます。
8種類 × 8種類 = 64種類
こうしてできるのが、六十四卦です。
六十四卦のそれぞれは、上に3本、下に3本、合わせて6本の爻からできています。
つまり易には、
陰陽2種類
↓
3本の爻を組み合わせる
↓
八卦
↓
八卦と八卦を組み合わせる
↓
六十四卦
という構造があります。
この「3」と「64」を頭の片隅に置いて、今度は生命の世界を見てみましょう。
遺伝情報にも「3つ一組」がある
私は遺伝学の専門家ではありませんが、鍼灸学校で解剖学や生理学を学ぶ中で、DNAやRNAについても基本的なことを学びました。
そこで出てくるのが、遺伝情報を読み取る「コドン」という仕組みです。
DNAにはA・T・G・Cという4種類の塩基があります。
そしてタンパク質をつくる過程では、DNAの情報がRNAへ写され、mRNAではA・G・U・Cという4種類の塩基を3つ一組で読み取ります。
この3つ一組を「コドン」といいます。
英語では、3つ一組という意味でtriplet(トリプレット)という言葉も使われます。
4種類を3つ組み合わせると「64」になる
mRNAには4種類の塩基があります。
その4種類を3つ組み合わせるので、
4 × 4 × 4 = 64
となります。
つまり、遺伝情報を読むコドンの組み合わせも64種類あります。
ここで、先ほどの易を思い出してみてください。
易では、3本の爻から八卦が生まれ、そこから六十四卦へ。
遺伝情報では、4種類の塩基を3つ一組で読み、64種類のコドンへ。
成り立ちはまったく違います。
それなのに、どちらにも「3つの組み合わせ」と「64」という数字が現れるのです。
古代の易と生命の仕組みに現れる「64」
古代中国で体系化されてきた易と、現代になって明らかになった遺伝暗号。
この二つに直接の関係があると証明されているわけではありません。
古代の人がDNAや遺伝暗号を知っていた、と言うこともできません。
ですから、ここは科学と東洋思想を無理に結びつける必要はないと思います。
ただ、まったく異なる二つの体系に「3」と「64」という同じ数字が現れる。
私は、その事実だけでも十分に興味深いと感じています。
「64」が同じだから、直接つながっているとは限らない
ここで大切なのは、易の六十四卦と遺伝暗号の64種類があるからといって、両者に直接の科学的な因果関係があると決めつけないことです。
易は古代から伝わる東洋思想の体系です。
一方、遺伝暗号は現代の生命科学によって明らかにされてきた仕組みです。
成り立ちも、研究の方法も違います。
ですから、私はこの二つを無理に同じものとして説明する必要はないと思っています。
ただ、まったく異なる世界に「3」と「64」という同じ数字が現れる。
そこに不思議さを感じることは、とても自然なことではないでしょうか。
易は「少ない要素から多くの変化を表す」体系でもある
易の面白さの一つは、非常に少ない基本要素から、多くの状態や変化を表していくところにあります。
出発点は、陰と陽という二つです。
そこから三本の爻を組み合わせて八卦が生まれ、さらに六十四卦へ広がっていきます。
シンプルな要素の組み合わせから、複雑な世界を表現していく。
私は、この構造そのものに易の魅力を感じます。
生命の情報も「組み合わせ」で成り立っている
遺伝情報についても、基本となる塩基の種類は限られています。
その限られた種類を組み合わせることで、多くの情報を表現していきます。
ここでも、少ない基本要素から複雑な情報体系が生まれているという点は、とても印象的です。
もちろん、易と遺伝暗号は同じ仕組みではありません。
それでも、「基本となる要素を組み合わせることで、多様な状態を表す」という形に、どこか似たものを感じます。
治療家としても興味深いテーマ
私は治療家として、身体のことを長く学んできました。
そして指圧・鍼灸を学ぶ中では、解剖学や生理学を通して、DNAやRNAについても基礎的な内容に触れました。
一方で、東洋思想として易や九星気学も学んできました。
西洋医学的に身体を見る世界と、東洋思想から自然や人間を見る世界。
この二つは、同じものではありません。
でも、両方を学んでいると、時々「ここは不思議と似ているな」と感じる場面があります。
今回の「3」と「64」も、私にとってはその一つです。
易は占いだけで語るには、あまりにも奥が深い
易という言葉を聞くと、未来を当てるもの、吉凶を見るもの、という印象を持つ方も多いかもしれません。
しかし易には、陰陽、八卦、六十四卦といった体系があり、そこには自然や人の変化を捉えようとする長い積み重ねがあります。
さらに現代の科学を学んでいると、今回のように思いがけないところで数字や構造の共通点に出会うことがあります。
それが直接の因果関係を意味しなくても、「易って何だろう」「もっと知ってみたい」と思うきっかけには十分です。
「不思議だな」から学びは始まる
私は、こういう話に出会った時に、すぐに結論を出す必要はないと思っています。
なぜ3なのか。
なぜ64なのか。
なぜ異なる体系に、似た数の構造が現れるのか。
その答えが今すぐ分からなくても、「面白い」「不思議だ」と感じることから学びは始まります。
東洋思想は、答えを覚えるだけではなく、物事を違う角度から見るきっかけを与えてくれます。
易の六十四卦と、生命の遺伝情報に現れる64種類。
私はこの不思議な一致を、易に興味を持つ一つの入口として大切にしたいと思っています。
もっと深く易や九星気学を学んでみたい方へ
今回は、易の六十四卦と遺伝暗号の64種類という、興味深い共通点をご紹介しました。
易には、陰陽、爻、八卦、六十四卦など、知れば知るほど世界が広がる体系があります。
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