脳卒中後、麻痺側の肩が下がっていませんか?
「麻痺側の肩が低く見える」
「腕がぶら下がっているように重い」
「肩から先を持ち上げにくい」
脳卒中後の上肢麻痺では、このような状態がみられることがあります。
このとき大切なのは、腕だけを持ち上げようとするのではなく、肩甲骨・肩関節・体幹の連動まで確認することです。
杉本治療院では、肩甲帯から上肢全体をみながら川平法を行います。
腕の重さは肩甲帯全体で支えています
腕は肩関節だけで身体につながっているわけではありません。
肩甲骨は胸郭の上を動き、その動きに合わせて肩関節や腕も動きます。
そのため、麻痺によって肩甲骨周囲の筋肉が働きにくくなると、肩が下がったように見えたり、腕の重さを支えにくくなったりすることがあります。
特に、
- 僧帽筋
- 前鋸筋
- 三角筋
- 回旋筋腱板
などの働きが重要になります。
まず「肩関節亜脱臼」がないか確認します
脳卒中後の麻痺では、肩周囲の筋力低下によって、上腕骨頭が下方へずれる肩関節亜脱臼がみられることがあります。
この状態で腕を強く引っ張ったり、無理に持ち上げたりすると、肩周囲へ負担をかける可能性があります。
そのため、肩の高さだけでなく、
- 痛みの有無
- 肩関節の位置
- 肩甲骨の動き
- 腕を支えたときの変化
などを確認します。
無理に動かすことより、安全に動かせる状態をつくることが優先です。
僧帽筋へ電気刺激を入れながら川平法を行うことがあります
肩甲骨を安定させ、上方へ動かすためには僧帽筋の働きが重要です。
麻痺によって僧帽筋が働きにくい場合には、必要に応じて僧帽筋へ電気刺激を行いながら川平法を行います。
目的は、電気で肩を強制的に動かすことではありません。
本人が「肩を動かそう」「腕を上げよう」とするタイミングに合わせて、筋肉が働きやすい状態をつくるための補助として使用します。
本人の随意運動+電気刺激
という形で、運動を繰り返していきます。
三角筋への電気刺激で腕を支えやすくします
三角筋は、肩から腕を持ち上げるときに重要な筋肉です。
脳卒中後に三角筋の働きが弱くなっている場合には、僧帽筋と同様、三角筋へ電気刺激を併用することがあります。
本人が腕を持ち上げようとする意図に合わせて刺激を入れ、川平法による反復運動へつなげます。
電気刺激そのものが主役ではなく、本人の運動を出しやすくするためのサポートとして使います。
肩甲骨が動かなければ、腕も上げにくくなります
腕を上げる動作では、上腕骨だけでなく肩甲骨も一緒に動きます。
肩甲骨が固まったまま腕だけを上げようとすると、肩関節へ負担が集中することがあります。
そのため杉本治療院では、
- 肩甲骨の上方回旋
- 外転・内転
- 胸郭との動き
- 肩関節との連動
などを確認します。
腕を動かす前に、肩甲骨が動ける状態をつくることが大切です。
体幹が安定すると上肢も動かしやすくなります
肩や腕の動きは、体幹から切り離されているわけではありません。
体幹が不安定な状態で腕を持ち上げようとすると、身体全体に力みが出たり、肩をすくめたりしやすくなります。
そのため、必要に応じて体幹の回旋や重心移動も確認しながら上肢の川平法を行います。
体幹が安定すると、肩甲骨も動きやすくなり、腕の運動につながることがあります。
指圧・マッサージも感覚入力として使います
杉本治療院では、川平法の前後に指圧・マッサージを行うことがあります。
肩甲骨周囲・上腕・前腕などへ刺激を入れることで、本人がその部位を感じやすい状態をつくります。
当院では、
指圧・マッサージで感覚入力 → 川平法で運動出力
という流れを大切にしています。
単に筋肉をほぐすのではなく、その後に本人が動かすための準備として施術します。
「腕を持ち上げる」だけが目的ではありません
上肢の動きは、日常生活のさまざまな動作につながります。
例えば、
- テーブルに手を置く
- 物へ手を伸ばす
- 手すりにつかまる
- 衣服を扱う
- 身体を支える
といった動作です。
そのため、肩を上げられる角度だけを見るのではなく、実際の生活の中で腕を使えるかを大切にします。
力みを出さずに動かすことも重要です
麻痺側の腕を動かそうとすると、どうしても全身に力が入りやすくなります。
肩をすくめたり、体幹を大きく傾けたりして無理に腕を持ち上げると、本来出したい動きとは違う代償動作が強くなることがあります。
そのため、最初は動きが小さくても、余計な力みを少なくして随意運動を出すことを大切にします。
こんな方は一度ご相談ください
- 脳卒中後、麻痺側の肩が下がっている
- 腕がぶら下がっているように感じる
- 麻痺側の腕が重い
- 肩甲骨が動きにくい
- 腕を上げようとすると肩をすくめる
- 上肢の動きをもう少し引き出したい
肩関節・肩甲骨・体幹の状態を確認しながら、必要に応じて僧帽筋や三角筋への電気刺激、指圧・マッサージを組み合わせ、その方に残っている動きを活かして川平法を行います。
強い肩の痛みや亜脱臼が疑われる場合には、医療機関やリハビリ専門職での評価が重要になることがあります。
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