脳卒中後、「手を握ったまま開きにくい」ことはありませんか?
脳梗塞や脳出血の後遺症では、指を曲げる筋肉の緊張が強くなり、手が握り込んだようになることがあります。
「物を握ることはできても離しにくい」
「指を伸ばそうとしても、すぐ曲がってしまう」
こうした場合、川平法だけでなく、痙縮をやわらげる刺激や、指を伸ばす筋肉を働きやすくする刺激を組み合わせることがあります。
まず、指を曲げる筋肉の「痙縮」をやわらげます
手が強く握り込んでいる場合、指を曲げる筋肉の痙縮が強くなっていることがあります。
その状態で無理に指を伸ばそうとしても、動かしにくいことがあります。
そこで用いる方法の一つが、DAVS(Direct Application of Vibratory Stimuli)です。
痙縮している筋肉へ振動刺激を直接加え、筋緊張を一時的にやわらげてから、川平法による運動につなげます。
まず「曲げる力」を少し落ち着かせて、「伸ばす動き」を出しやすくする。
そんなイメージです。
DAVSは、振動刺激を利用した痙縮へのアプローチです
DAVSは、脳卒中後の痙縮筋へ振動刺激を直接加える方法です。
研究でも、上肢の痙縮に対して、刺激直後から一定時間、筋緊張の指標が低下したことが報告されています。
大切なのは、振動を当てて終わりではありません。
筋緊張がやわらいでいる時間に、実際に指を伸ばす運動を繰り返す。
そのために川平法と組み合わせます。
指を伸ばす筋肉には、100Hz程度の電気刺激を併用することも
指を開くためには、曲げる筋肉を緩めるだけでなく、指を伸ばす筋肉を働かせることも必要です。
そこで、前腕の伸筋群に100Hz程度の持続的な電気刺激を加えながら、川平法を行うことがあります。
刺激は、電気を感じながらも大きな筋収縮が起こらない程度に調整し、患者さん自身が「指を伸ばそう」としたときに運動を引き出しやすい状態をつくります。
電気で動かすのではなく、自分で動かす運動を電気刺激で後押しする。
これが大切なポイントです。
川平法では「指を伸ばす」運動を何度も繰り返します
筋緊張を整え、伸筋が働きやすい状態をつくったら、川平法で指の伸展運動を反復します。
「人差し指を伸ばす」
「手を開く」
といった目的の動きを、施術者が促通しながら患者さん自身に繰り返していただきます。
動かしてもらうだけではなく、自分で動かしたという経験を積み重ねる。
これが促通反復療法の中心です。
曲池への指圧で、指が伸ばしやすくなることもあります
もう一つ、臨床で大切にしているのが曲池(きょくち)への指圧です。
曲池は肘の外側にあるツボで、前腕の伸筋群が付着する部位にも近いところにあります。
ここへ指圧でしっかりと感覚入力を行ったあとに指を伸ばしていただくと、先ほどより指が伸ばしやすくなる反応がみられることがあります。
その変化を確認してから、川平法による手指の運動へつなげます。
「感覚入力」と「運動出力」をつなげます
当院では、指圧による刺激を感覚入力、川平法による随意運動を運動出力という考え方で捉えています。
さらに必要に応じて、
- DAVSで痙縮をやわらげる
- 電気刺激で伸筋を働かせやすくする
- 曲池への指圧で感覚入力を行う
- 川平法で指を伸ばす運動を反復する
といった方法を組み合わせます。
手を無理に開くのではなく、「自分で開く」ための条件を一つずつ整える。
これが手指麻痺への施術で大切にしている考え方です。
「つかむ」だけでなく「離す」動きを目指します
日常生活では、物を握るだけでは十分ではありません。
コップを持って置く。
タオルをつかんで離す。
手を開いてテーブルにつく。
こうした動作には、指を伸ばす力が必要です。
手指の状態を確認しながら、実際の生活で使える「開く・離す」動きを目標に練習していきます。
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「手が握ったまま開きにくい」
「物をつかんでも離しにくい」
「退院後も手指のリハビリを続けたい」
✅ 川平法で手指の伸展運動を反復
✅ 痙縮が強い場合はDAVSを活用
✅ 必要に応じて100Hz程度の電気刺激を併用
✅ 指圧による感覚入力も組み合わせます


