ライプニッツと易の不思議な関係|0と1の二進法と陰陽・八卦・六十四卦

九星気学

私が易を学んでいて、とても興味を惹かれたエピソードがあります。

それが、ドイツの哲学者・数学者ライプニッツと、易の六十四卦との関係です。

ライプニッツは、数字を0と1だけで表す「二進法」を17世紀に体系化した人物として知られています。

そしてその後、中国にいた宣教師との交流を通して、はるか昔から中国に伝わる易の六十四卦の図を知ります。

そこでライプニッツが目にしたのが、陰と陽という二つの要素を組み合わせて表される易の世界でした。

私は、この話を初めて知ったとき、とても驚きました。

現代のコンピューターにも深く関わる「0と1」という考え方と、古代中国の易にある「陰と陽」。

もちろん、二進法と易は同じものではありません。

それでも、二つの基本要素から多様な状態を表していくという構造に、どこか不思議な共通性を感じます。

ライプニッツと二進法

ライプニッツは、0と1という二つの数字だけを使って数を表す二進法を研究しました。

普段、私たちは0から9までの10個の数字を使う十進法に慣れています。

一方、二進法では使う数字は0と1だけです。

現代のデジタルコンピューターも、基本的には0と1で表される二値の情報処理を土台にしています。

私たちが毎日のように使っているスマートフォンやパソコンも、その深いところでは、この二値の仕組みに支えられています。

二進法を考えた後に、ライプニッツは易を知った

興味深いのは、その後の話です。

ライプニッツは、中国にいた宣教師との交流を通して、易の六十四卦を表した図を知ります。

その図を見たライプニッツは、自分が研究していた二進法と、六十四卦の構造との間にある形式的な共通性に強い関心を示しました。

実際、ライプニッツは1703年に発表した二進算術についての論文の中でも、0と1による数の表現と、中国の古い図との関係に触れています。

西洋で二進法を研究していた数学者が、遠く離れた中国の古い思想の中に、似た構造を見つけた。

この歴史的な出会いが、私はとても面白いと思うのです。

易では「陰」と「陽」を線で表す

易では、すべての基本となる陰と陽を、線で表します。

陽爻 ━━━━━━

陰爻 ━━ ━━

この一本一本の線を「爻(こう)」といいます。

陽か、陰か。

まずは、この二つが基本になります。

ここだけを見ると、二進法の0と1を連想する方もいるかもしれません。

ただし、易の陰陽は数字そのものではなく、自然や状態、変化を捉えるための考え方です。

同じ二つの要素でも、その背景や目的は異なります。

陰と陽を3本重ねると「八卦」になる

陰爻と陽爻を3本組み合わせると、8種類の形ができます。

これが、前の記事でもご紹介した「八卦」です。

乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤。

二つの要素を3段重ねることで、8つの状態が生まれます。

そして、さらに爻を6本重ねることで六十四卦になります。

二つから八つへ。

そして六十四へ。

単純な二つの要素から、さまざまな状態や変化を表していく。

私は、この構造そのものに易の奥深さを感じています。

私がこのエピソードに惹かれる理由

私がライプニッツと易の話に惹かれるのは、「易がコンピューターを生み出した」と言いたいからではありません。

まったく違う時代、違う文化の中で生まれたものに、二つの基本要素を組み合わせて多様な状態を表すという似た構造が見られる。

そこが、とても興味深いのです。

西洋では0と1。

易では陰と陽。

目的も意味も同じではありません。

それでも、二つの基本から複雑な世界を表現していくという発想には、時代を越えた面白さを感じます。

易は、単に「未来を当てるためのもの」ではない

易という言葉を聞くと、「占い」を思い浮かべる方も多いと思います。

もちろん、易には占筮として用いられてきた歴史があります。

一方で、私が易を学ぶうえで大切にしているのは、物事の変化や、その背景にある成り立ちを見ることです。

天体は動きます。

季節も変わります。

社会も、人間関係も、自分自身の心も変化します。

易は、そうした変化する世界をどのように捉えるのかを考えてきた学びでもあります。

陰と陽は「良い・悪い」ではない

陰と陽というと、つい

「陽は良い」
「陰は悪い」

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、陰陽は単純な善悪を表すものではありません。

昼があれば夜があります。

動く時があれば、休む時もあります。

外へ向かう力があれば、内へ向かう力もあります。

どちらか一方だけで世界が成り立っているわけではありません。

異なる二つの性質が関わり合いながら、物事が変化していく。

これが、易を理解するうえで大切な視点の一つです。

二つから八つへ、そして六十四へ

陰と陽という二つの爻から、八卦が生まれます。

そしてさらに組み合わせることで、六十四卦へ広がっていきます。

最初はとてもシンプルです。

しかし、組み合わせが増えることで、表せる状態も豊かになっていきます。

私はここに、易の非常に面白いところがあると感じています。

人間や社会も、「こういう人」「こういう状態」と一つの言葉だけで割り切れるものではありません。

さまざまな要素が重なり、刻々と変わっています。

易もまた、そうした複雑な世界を、陰と陽という基本から捉えようとしてきたのだと思うと、その奥深さを感じます。

現代のスマートフォンと古代の易

私たちは今、毎日のようにスマートフォンやパソコンを使っています。

写真を撮る。

メッセージを送る。

動画を見る。

仕事をする。

その便利なデジタルの世界は、最終的には0と1という二値の情報処理を基礎にしています。

一方、はるか昔の中国では、陰と陽という二つの爻を組み合わせながら、自然や人、社会の変化を表そうとする易の体系が発達しました。

両者を同じものとして扱うことはできません。

それでも、私たちの身近にある現代技術を入り口にすると、易という古い学びが少し身近に感じられるのではないでしょうか。

「昔の占い」と思っていた易の見え方が変わる

私は、このライプニッツのエピソードを知ったことで、易への興味がさらに深まりました。

易を「昔の占い」とだけ考えていたら、こうした世界にはなかなか目が向かないかもしれません。

陰と陽。

八卦。

六十四卦。

そこには、変化する世界を何とか理解しようとしてきた人間の知恵があります。

そして何百年も後、西洋の数学者がその構造に目を留めた。

私は、その事実だけでも、易を学ぶ価値や面白さを感じます。

易を知ることは、世界の見方を増やすこと

易を学ぶ目的は、知識を増やすことだけではありません。

一つの出来事を、一つの答えだけで決めつけない。

今見えているものの背景には何があるのか。

これから、どのように変化していくのか。

そして、その中で自分はどう生きるのか。

私は、そんなふうに世界を見る視点を増やしてくれるところに、易の魅力を感じています。

ライプニッツと六十四卦のエピソードも、易の世界へ興味を持つきっかけの一つになれば嬉しいです。

もっと深く九星気学と易を学んでみたい方へ

今回は、ライプニッツの二進法と、易の陰陽・八卦・六十四卦との興味深い関係をご紹介しました。

九星気学や易には、知れば知るほど「こんなところまで関係しているのか」と感じる世界があります。

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