脳卒中後、椅子から立ち上がりにくくなっていませんか?
脳梗塞や脳出血の後遺症では、椅子から立ち上がる動作が難しくなることがあります。
「立とうとすると身体がぐらつく」
「お尻がなかなか座面から離れない」
「立ったあとに姿勢を安定させにくい」
このような場合、単純に脚の筋力だけを見るのではなく、体幹の前傾、股関節・膝関節の伸展、足で身体を支える力などを一つの動作として確認することが大切です。
立ち上がりは「脚の力」だけではありません
椅子から立ち上がるときには、まず身体を前へ運び、そのあとに股関節と膝を伸ばして立位になります。
このとき、
- 体幹を前へ移動する
- 足で床を支える
- 股関節を伸ばす
- 膝を伸ばす
- 立ったあとに姿勢を安定させる
といった動きが連続して必要になります。
どこか一つの動きが出しにくいだけでも、立ち上がり全体が難しく感じることがあります。
川平法では「健康立脚」を大切にします
川平法では、立位や歩行を考えるときに、「健康立脚」――いい方の脚でしっかり立つという意識づけを大切にします。
これは、麻痺側を使わないという意味ではありません。
まず健側で身体を安定して支えることで、全身のバランスを保ちやすくし、そのうえで麻痺側の脚の動きを引き出していきます。
その方の状態によっては、最初から左右均等に体重をかけることを目標にするよりも、健側で安定した支持をつくることが、立ち上がりやその後の動作につながりやすい場合があります。
健側で支えることと、麻痺側を使うことは両立します
「いい方の脚で立つ」と聞くと、麻痺側を使わなくなってしまうのでは、と心配される方もいるかもしれません。
しかし大切なのは、安定した土台をつくったうえで、麻痺側の動きを引き出すことです。
健側でしっかり支えながら、麻痺側の股関節や膝を動かす。
立ち上がったあとに、麻痺側でも身体を支える練習につなげる。
このように、その方の現在の能力に合わせて段階的に進めていきます。
股関節と膝を伸ばす動きを繰り返します
立ち上がるためには、股関節と膝を伸ばす動きが重要です。
脳卒中後では、筋力がある程度残っていても、必要なタイミングでうまく力を出せないことがあります。
川平法では、患者さん自身に「伸ばそう」「立とう」という意識を持っていただきながら、施術者が動きを促します。
他人に動かしてもらうだけではなく、自分で動かしたという運動を繰り返すことを大切にします。
大殿筋・大腿四頭筋などの働きも確認します
立ち上がりでは、股関節を伸ばす大殿筋や、膝を伸ばす大腿四頭筋などが重要になります。
それぞれの筋肉がどの程度働いているか、左右差がどのように出ているかを確認しながら練習します。
必要に応じて、これらの筋肉が働きやすい状態をつくってから立ち上がり動作へつなげます。
指圧による感覚入力を行ってから動かすこともあります
杉本治療院では、川平法の前に指圧を行うことがあります。
太もも、臀部、膝まわり、下腿などへ指圧で感覚刺激を入れたあとに、目的の動作を繰り返します。
当院では、指圧を「感覚入力」、川平法を「運動出力」という考え方で組み合わせています。
感じる → 動かすという流れをつくることで、立ち上がり動作につなげていきます。
必要に応じて電気刺激・振動刺激も組み合わせます
筋肉が働きにくい場合には、必要に応じて電気刺激を併用することがあります。
電気の力だけで立たせるのではなく、患者さん自身が力を出そうとしたときに、その随意運動を引き出しやすくすることが目的です。
また、皮膚や筋肉へ振動刺激を加えて感覚入力を行い、その直後に立ち上がり動作を練習することもあります。
最終的には「立つ」だけでなく、次の動作につなげます
椅子から立てることだけが最終目標ではありません。
実際の生活では、
- 立ったあとに姿勢を安定させる
- 方向を変える
- 一歩を踏み出す
- トイレやベッドへの移乗につなげる
といった動作が必要になります。
そのため、立ち上がりができたら、その先の立位や歩行までつなげていくことが大切です。
退院後も立ち上がり練習を続けたい方へ
病院でのリハビリが終了したあとも、
「もう少し立ち上がりを安定させたい」
「自宅での移乗を楽にしたい」
「川平法を継続して受けたい」
という方は少なくありません。
杉本治療院では、現在の動きを確認しながら、川平法・指圧・電気刺激・振動刺激などを必要に応じて組み合わせています。
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