仮吉方とは?一度仮住まいして「吉方で帰る」九星気学の方位術
九星気学には、「吉方へ行く」という考え方があります。
旅行や引っ越しなどで、自分にとってよい方位を選び、その方位の気を取り入れていく方法です。
その中には、少し変わった方法があります。
それが「仮吉方(かりきっぽう)」です。
一度、自宅とは別の場所へ生活拠点を移し、一定期間そこで暮らしたあと、元の家へ「吉方」で帰ってくる。
初めて聞くと、「どうしてわざわざ反対方向へ行くの?」と思うかもしれません。
今回は、九星気学の中でも少し専門的で面白い「仮吉方」について、できるだけわかりやすくご紹介します。
仮吉方とは?
仮吉方は、簡単にいうと「元の家へ戻る移動を吉方にするための仮住まい」です。
たとえば、自宅から見てある方位が吉方になるとします。
その吉方を直接取るのではなく、まず反対側の方位へ一定期間移り住みます。
そこを生活拠点として過ごしたあと、元の自宅へ戻る。
すると、仮住まい先から自宅へ向かう移動が「吉方」になります。
つまり、家を永久に引っ越すのではなく、一度生活拠点を動かしてから、吉方として戻るという方法です。
旅行とは違う「生活拠点を移す」という考え方
仮吉方は、数日旅行するのとは違います。
一定期間、実際にその場所を生活の中心にします。
眠る。
食事をする。
そこから仕事や日常生活へ出かける。
つまり「泊まりに行く」のではなく、しばらくの間、その場所を自分の生活拠点にするわけです。
気学では、人は移動した瞬間だけでなく、その土地で生活することによって、その場所の気と関わっていくと考えます。
なぜ60〜75日ほど暮らすのか
仮吉方では、一般的な目安として60〜75日ほど仮住まいをします。
これは、単に長く滞在すればよいという話ではありません。
新しい場所を「生活の拠点」として根づかせるための期間として考えます。
旅行先のホテルに何泊かするのと、二か月ほど実際に生活するのとでは、その土地との関わり方がまったく違います。
仮吉方の「仮」という文字から軽い移動を想像しやすいのですが、実際にはかなり本格的な移動です。
距離も大切になる
仮住まい先は、自宅の隣の家へ移ればよいというものではありません。
一つの目安として、元の住まいから2km以上離れた場所を取ります。
方位を取るということは、ただ住所が変わればよいのではなく、実際に「移動」が生まれることが大切だからです。
また、距離が大きくなれば、方位の作用も大きくなると考えます。
仮住まい中は、元の自宅との距離を取る
仮吉方で大切なのは、「本当に生活拠点を移す」ということです。
仮住まいをしているのに、毎晩自宅へ帰って寝ていたら、生活拠点を移したことにはなりません。
元の自宅へ用事で戻ることはあっても、基本的には仮住まい先で眠り、食事をし、日常を送ります。
ここが、普通の旅行や長期出張との大きな違いです。
そして「吉方」で自宅へ戻る
一定期間が過ぎたら、いよいよ元の自宅へ戻ります。
この「帰る移動」が、その人にとっての吉方になるように、最初から仮住まい先を決めておきます。
ここが仮吉方の一番面白いところです。
普通は、
「自宅からどの方位へ行くか」
を考えます。
仮吉方では反対に、
「どこから自宅へ戻れば、自宅が吉方になるのか」
という逆算をします。
方位というものを、行き先だけでなく「出発地点と目的地の関係」として見るからこそ生まれる方法です。
なぜわざわざ仮吉方をするのか
「そこまでして吉方を取る必要があるの?」と思う方もいるでしょう。
実際、誰もが仮吉方をする必要はありません。
引っ越しができるなら、最初から吉方へ移るという方法もあります。
しかし、仕事や家族、持ち家などの事情で、今の家を離れられない人もいます。
そのような場合に、現在の住まいを残しながら、一度別の場所へ生活拠点を移し、吉方として戻ってくる。
そこに仮吉方という方法の意味があります。
方位は「東が吉、西が凶」のように固定されていない
ここで大切なのは、誰にとっても同じ方位が吉方になるわけではないことです。
吉方を判断するときには、年盤と月盤だけでなく、本命星・月命星との関係も見ていきます。
同じ年、同じ月であっても、人によって取れる方位は違います。
ですから、「今年は南が吉らしい」といった情報だけで、仮吉方を行うものではありません。
生年月日と時期、目的地との位置関係まで含めて判断します。
仮吉方は、気学の「移動」の考え方がよくわかる
仮吉方を知ると、九星気学における方位の考え方が少し見えてきます。
方位は、地図の上に固定された「良い場所」「悪い場所」ではありません。
自分がどこにいて、どこへ移動するのか。
いつ移動するのか。
誰が移動するのか。
その組み合わせによって意味が変わります。
仮吉方は、その仕組みをとてもよく表している方法だと思います。
「方位を取る」とは、生活を動かすこと
気学を学び始めた頃は、「吉方へ行く」と聞くと、良い方角へ旅行することのように感じるかもしれません。
しかし、仮吉方まで学ぶと、方位というものがもっと生活に深く関わっていることがわかります。
住む場所を変える。
毎日の寝る場所を変える。
生活する土地を変える。
そして、再び自宅へ帰る。
方位を取るということは、自分自身の生活を実際に動かすことでもあります。
仮吉方は、自己流で簡単に行うものではない
仮吉方は面白い方法ですが、実際に行う場合には方位の判断が必要です。
年盤、月盤、本命星、月命星。
さらに、移動する時期や方角、距離などを重ねて考えます。
この記事だけを見て、「自分も反対方向へ2か月住めばよい」と単純に行うものではありません。
まずは、なぜこのような考え方があるのかを知ることから始めるとよいと思います。
気学を学ぶと「移動」の意味が変わる
人は日々、さまざまな場所へ移動しています。
旅行、転勤、進学、結婚、引っ越し。
普段は単なる移動として考えているものにも、気学では「方位」という視点が加わります。
どの方向へ動くのか。
いつ動くのか。
そして、どこを生活の中心にするのか。
仮吉方は、そんな九星気学ならではの「移動と時間」の面白さがよく表れた方法です。
九星気学を知るほど、普段当たり前に行っている「移動」にも、いろいろな見方があることに気づきます。
私は、こうしたところにも気学を学ぶ面白さがあると思っています。
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